奥秩父(長野/山梨) 金峰山(2599m) 2021年9月24日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 3:34 瑞牆山荘−−4:17 富士見平小屋−−5:35 大日岩直下(県境稜線)−−6:25 砂払ノ頭(森林限界)−−7:03 金峰山 8:14−−−9:01 砂払ノ頭−−9:29 大日岩直下−−10:15 富士見小屋−−10:37 瑞牆山荘

場所長野県南佐久郡川上村/山梨県甲府市
年月日2021年9月24日 日帰り
天候
山行種類一般登山
交通手段マイカー
駐車場瑞牆山荘付近に登山者用駐車場あり
登山道の有無あり
籔の有無無し
危険個所の有無無し
山頂の展望晴れれば大展望
GPSトラックログ
(GPX形式)
ここをクリックしてダウンロード
コメント山頂からの展望写真撮影のため久しぶりに金峰山へ。奥秩父では数少ない森林限界を超える山。赤岳の翌日に登る都合上、車での移動が近い瑞牆山荘から往復したが楽をするなら大弛峠まで車で上がるのが良い。天気は申し分なかったが空気の透明度がイマイチで奥日光はほんの微かに見える程度で写真では写らない程度で、北アルプスも辛うじて見える程度だったのが残念。近場の山は申し分なく見ることができた




登山口 富士見平小屋
鷹見岩分岐 月が明るい
樹林帯の中は5時半でライト不要な明るさに 大日岩
大日岩下から見た日の出直前の八ヶ岳南部 県境稜線に乗る
砂払ノ頭。ここで森林限界を超える 砂払ノ頭から山頂方向を見ている
山頂は逆光方向。五丈岩が目立つ存在 金峰山小屋分岐
五丈岩と金峰山頂 花崗岩の巨岩が積み重なった金峰山山頂
金峰山から見た360度パノラマ展望(クリックで拡大)
金峰山から見た南アルプス(クリックで拡大)
金峰山から見た中央アルプス、木曾御嶽(クリックで拡大)
金峰山から見た八ヶ岳
金峰山から見た北アルプス(クリックで拡大)
五丈岩に登ってみた ここで断念。凹凸少なくバランス感覚が必要
岩が積み重なった金峰山山頂 西へ延びる県境尾根を下山
砂払ノ頭で右へ曲がると樹林帯の中へ 大日岩分岐で県境稜線を離れる
大日岩下から見た飯盛山と鷹見岩 鎖があるが靴の摩擦だけで通行可能
大日小屋テント場にテントあり 大日小屋。近くで沢音が聞こえていた
鷹見岩分岐。ちゃんと登山道がある 富士見平小屋。営業していた
富士見平小屋はテントがいっぱい 水場の水量は豊富
林道終点に車あり 瑞牆山
林道交差場所 登山口
登山口 今回は少し離れた場所に駐車した


・言わずと知れた奥秩父を代表する山。確か瑞牆山と並んで100名山だったような? 最も楽に登るコースは大弛峠からの往復で、峠に至る山梨県側の林道は完全舗装されているので走りやすいが、長野県側は未舗装で路面状況は酷い有様であり、もし長野県人が登るにしても山梨まで遠回りする必要がある。

・今回は前日に県界尾根コースから赤岳を登った都合上、大弛峠まで車で行くのは面倒なので、瑞牆山荘から登ることにした。ここは金峰山と瑞牆山の2つを振り分けて登るのに適した登山口であり、大弛峠ほどではないがそれなりに賑わう場所である。登山者用の無料駐車場があるが静かに車中泊するために、少し離れた林道上の駐車余地を利用。予想通り静かに過ごせた。

・今日も山頂での日の出を見るわけではないので出発は遅めの午前3時半。とは言え周囲はまだ真っ暗で歩いている人の光は見えない。数年前にここから鷹見岩を登ったついでに金峰山へ足を延ばしたのだが、当時の登山道の様子はあまり記憶にない。そのためライトで周囲を照らして登山口を探し、最初は平坦で尾根が無く周囲にも藪が無いのでかえってルートが分かりにくい地形の中を進んでいく。富士見平小屋まではライトの光だけでは分かりにくい道が続くのは意外だった。場所によってはルートが分散しているのは暗闇の中では厄介だった。

・1か所で林道を横断。この林道は富士見平小屋関係者が利用するものだろう。帰りに林道終点に1台の車が駐車してあるのを目撃した。

・3連休中日と言うこともあり富士見平小屋ではたくさんのテントがあったが、真っ暗なこの時間から活動を始めているのは少数派であり、金峰山方面で私に先行している登山者はいなかった。さすがにこの時期は朝は冷えておりテント泊には防寒装備は必須だが、登る分にはちょうどいい気温だ。

・小屋を通過すると尾根に登山道が移り明瞭になる。それまで登山道は土だったが石がゴロゴロして少し歩きにくくなる。やがて登山道は尾根を外れて南斜面をトラバース気味に上がっていく。これは尾根上にある飯盛山を巻くためだろう。奥秩父らしい深いシラビソ樹林だが、おかげで周囲は徐々に明るくなってきているはずが相変わらず真っ暗である。鷹見岩分岐を通過した時もまだ真っ暗であった。

・大日小屋を通過するときに沢の水音が聞こえていたので水源が近くにあるようだ。富士見平小屋と違ってこちらは無人である。往路では暗くて気付かなかったがこちらには2張のテントがあり、大日小屋にもテント場があるとは知らなかった。

・大日小屋を通過する頃にやっと樹林の中も明るくなりだした。大日岩直下で僅かに樹林が開けた場所では飯盛山と鷹見岩を見下ろすことができる。その奥には赤く染まりだした八ヶ岳。今日もいい天気だ。

・大日岩の基部付近で県境稜線に到着。大日岩は前回に登っているのでパス。ここまで登ってきたが昨日の疲れがあり既に足が重くペースが上がらない。それでも時間はかかっても金峰山頂に到着できないという事態にはならないだろう。時間はたっぷりあるのでのんびり歩いていい。明日は軽い蓼科山だし。

・シラビソに覆われた県境稜線を右へ。尾根幅は広く尾根上にいることを忘れさせるほど。奥秩父らしくシャクナゲも見かけるが、この時期では当然ながら花は咲いていない。

・このコースでは明瞭な森林限界がある。その場所は標高2410m付近の「砂払ノ頭」の標識が立つ場所で、ここで花崗岩の稜線に出るとシラビソ樹林から解放されて山頂まで展望が開ける。昨日と違って今日は風が弱く穏やか。天気は昨日に引き続いて上々だが空気の透明度も昨日に引き続いてイマイチで、蓼科山の右手に見ている北アルプスの山並みは辛うじて判別できる程度であった。どうも今回は天気はいいのに遠望に恵まれない。秋なのになぁ。

・大きな花崗岩を乗り越えたりして登っていく。岩の関係か、尾根直上ではなく北側を巻く区間が目立つ。それでも登山道上に大きな花崗岩が鎮座していて乗り越える場面も多い。まだ遠くに聳えている特徴的な巨岩は五丈岩で、その左手のピークが金峰山山頂のはずだ。逆光でカメラ写りは悪そうな。稜線には人の姿は見えず、私が先頭らしい。

・金峰山小屋分岐を通過して山頂方向へそのまま稜線を辿る。足は重いがここまでくると傾斜は比較的緩やかになり負担は少ない。

・巨大な五丈岩の前を通って常念岳のように花崗岩が積み重なった金峰山山頂に到着。山頂標識は岩の積み重なりの直下にあるが、まさか山頂の岩に穴を開けて標識を建てるわけにもいかなかったのだろう。周囲には背の高い樹木は皆無なので360度の大展望が開けているが、昨日同様に空気の透明度がイマイチで北アルプスは微かに確認できる程度で、奥日光はさらに霞んで写真撮影しようにもデジカメ画面のどこに写っているのは全く分からないほどだった。北アルプスの望遠写真は辛うじて撮影できたが、帰宅後にパノラマ合成しようにもコントラストが低すぎてソフトウェアが山を認識できず合成に失敗してしまうため、手動で合成を行う必要があった。先日登った剱岳は蓼科山のすぐ右側に見えていたが、逆に剱岳から金峰山は蓼科山のすぐ左側に見えていたので簡単に分かった。立山は見事に蓼科山と重なってしまい見えていなかった。餓鬼岳以南の北アルプスは八ヶ岳でブロックされて見ることはできない。

・最も高い岩のてっぺんに登ると五丈岩の向こう側の南アルプスの山並みが辛うじて頭を出している。南アルプス北部の山々は簡単に同定できたが、荒川三山や赤石岳など南部の山々はピークが重なって同定できなかった。左側にやや離れて2つあるピークは聖岳と上河内岳かもと推測したが自信はなく、帰宅後にカシミールで確認したら正解だったと判明した。上河内岳の左側に続く稜線は2つのピークの形からして笊ヶ岳と判明し、それを起点に芋づる式に同定が可能。その左側のピークは最初は思いつかなかったが少しして大無間山だと気付いた。それよりさらに左側は白峰南嶺からさらに南に延びる山梨/静岡県境のはずだが、どのピークがどの山なのか現地では同定できなかった。何せいつもの北アルプスからは見えない山々だからなぁ。

・東側は奥秩父の続きで、目の前には朝日岳と国師ヶ岳と北奥千丈岳が大きい。その左の3つのピークは右から木賊山、甲武信ヶ岳、三宝山だろう。さらに左へ目を移すと特徴的な両神山の稜線。さらに左は西上州の山々。北奥千丈岳の右側の長い稜線はおそらく小金沢連峰だろう。その右側の雲海に頭を出しているのは御正体山、三ツ峠山、御坂黒岳であろう。富士山はすっきりと見えている。

・山頂到着時は無人であったが、すぐに大弛峠方向から単独の若者がやってきた。その後も登山者がポツリポツリとやってきたが、ほとんどが大弛峠方面からであった。そちらからやってきた登山者の一人から話を聞いたところ、今日は飛び石連休の谷間だが峠の駐車場は満車に近かったとのこと。その人も同じだったが、私のように有給休暇を取って4連休にしているパターンらしい。

・まだ山頂には私の他に1人しかいないときに五丈岩に挑戦してみた。中盤までは簡単に登れるが、横長の棚と棚の間、高さ2m程度が凸凹が少なく岩の経験がないとバランスを崩して落下しそうであった。私は右目の視力低下以降、バランス感覚がおかしくなっているのでここは素直にやめておいた。見た感じでは技術的には高度なものが必要なレベルではないので、ボルダリングで経験を積んでから挑戦するのがいいだろう。先日の剱岳のように適度な大きさの岩が積み重なった状態であればホールド、スタンスが豊富で登りやすいのだが、五丈岩は巨大な数個の岩の塊であり、最大の難所は1つの岩の塊なので凸凹が少ない。しかも風化しやすい花崗岩なので表面の凹凸はさらに少なくなる。

・山頂に1時間強滞在して下山開始。登りではかなり疲れたが下りは楽だ。それでも日が高くなって気温が上昇すると歩いていると暑さを感じるようになり、途中で夏の恰好にチェンジ。この時にウェストポーチを岩の上に忘れてしまい、次の写真撮影時に気付いて空身で逆戻り。登山道からやや離れた場所だったのでそのまま残っていた。

・こちらのルートでも散発的に登ってくる登山者とすれ違う。砂払ノ頭で樹林帯の潜ると展望は無くなるが、シラビソ樹林の日影で涼しくなるのはいいことだ。

・大日岩直下で県境稜線を離れて西へと下っていく。ここまで下るとすれ違う登山者はぐっと少なくなる。往路では真っ暗で全体が見えなかった富士見平小屋は営業しており、たくさんのテントが張ってあった。多くは金峰山と瑞牆山の両方の往復であろう。

・帰りに富士見平小屋の水場に初めて立ち寄った。小屋から数分下った場所にあり、沢の源頭らしくここから豊富な水が湧き出していた。この水源があるからこそ小屋がここにあるのだろう。森林限界を超えたアルプスのテント場と違い、ここは樹林帯の中にあるので真夏の日中でも日影になり、幕営には最適な場所だろう。アルプスのテント場は日影が無いので真夏の日中はテントの中は暑すぎていられないし、周囲にも日影が無いので外にいても日が当たっている間は暑いのであった。

・登山口に戻り駐車した車に戻ると日向になっていて車内が暑いので、日影に移動してから着替えを済ませた。

・今回も大汗をかいたわけではないが、近くにあるので久しぶりに増冨温泉へ向かう。前回ここを訪れたのは20年近く前のはずで、右足踵を負傷して7針縫った傷がまだ癒えないうちに八幡山に登った帰りに立ち寄った記憶がある。赤茶色に濁ったお湯の丸い湯船で片足を上げてお湯に浸かった記憶があるが、今回はその心配はない。前回の料金は覚えていないが今回は\830と意外と高い。お湯の温度はどの浴槽も低めで(最高で37℃)、気温が低くなりつつあるこの時期では既に物足りない温度だった。もし金峰山を再訪するときは長野側の海ノ口温泉にでもしようか。

 

山域別2000m峰リストに戻る

 

ホームページトップに戻る